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「崖の上のポニョ」 気味が悪い 55点…超映画批評

崖の上のポニョ/55点
宮崎アニメに何を期待するかは人それぞれだが、『もののけ姫』(97年)以降の作品に満足できない、つまりは80年代の諸作品に夢を与えられた人々にとっては、今回も「またか……。」と嘆く事になろう。いまでも『ルパン三世カリオストロの城』(79年)の幻想を追いかけ、諦めきれないファンも決して少なくないと私は考えている。だが、彼らが満足する日はもう永遠に来ないのかもしれない。
(中略)
単純極まりないお話ながら、いくらでも深読みできる内容。ポニョの父親がどう見ても人間なのはなぜなのか、津波被害の詳細はどうなのか、父親が作っている命の水とはなんなのか。全編謎に満ちているが、説明はあえて放棄されている。

これが何ともおさまりが悪く、押し寄せる波やあふれる古代魚、落ちてくる月、ポニョが過剰反応する謎のトンネル、老人ホームの人々など、死をイメージさせる要素があまりに多すぎて、個人的には異様な鑑賞後感を味わう羽目になった。「神経症の時代に向けて作った」というがむしろこの作品こそがパラノイア的で気味が悪い。
絵本調のパステルカラーによる妙に明るい雰囲気とのギャップがその思いに輪をかける。

紅電ニュース


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