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通り魔事件から1週間、献花絶えず ホコ天中止に不安の声─ パフォーマー有志による、AED設置のための募金活動も

17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件から1週間を迎えた15日の日曜日。
現場となった交差点には朝から多くの人が訪れ、献花台には数十の花束が積み上げられた。
一方、秋葉原の“顔”ともいわれた歩行者天国はこの日、開始36年目にして初めての中止に。
地元の商店街関係者からは「観光客や買い物客の足が遠のくのでは」と、地域への影響を懸念する声も上がっている。

「事件以来、自分もいつ後ろから刺されるか分からないという不安で、仕事が手につかなかった」
 事件直後、現場近くを通りかかったという女性会社員(21)は、何人もの人が倒れ込んでいた光景が忘れられない。献花台の前で手を合わせ、きつく目を閉じて祈った。「運良く生き延びたんだから、亡くなった人の分までがんばって生きなきゃ」
 千葉県我孫子市の主婦、康本輝美さん(34)は、犠牲者数と同じ7枚のクローバーの押し花を貼り付けた便箋(びんせん)を献花台にささげた。「罪のない人が傷つけられ、何と言ったらいいのか…。
安らかに眠ってほしい」と声を詰まらせた。
 歩行者天国の中止をめぐっては集客力低下も心配されていたが、秋葉原はこの日も買い物客ら多くの人出でにぎわった。中央通り沿いの電器店で働く男性従業員(58)は「思ったより客足は減らなかった」と一安心した様子。その一方で、別の男性従業員(40)からは「歩行者天国がないために歩道が混雑し、店頭での接客が大変」という声も。秋葉原電気街振興会の小野一志会長も「追悼の意味からも中止は当然だが、あまり長引けば外国人観光客も来なくなってしまう。
特に今年はオリンピックを前に、テレビを売らなければならないのに…」と、複雑な胸の内を明かした。

 秋葉原の歩行者天国がスタートしたのは昭和48年。最近は路上でのパフォーマンスが過激になり、4月末から、地元住民が警察と合同でパトロールを実施。事件前から歩行者天国の是非をめぐり議論が続いていた。利用者からは「ホコ天は秋葉原の文化」「なくなるのは寂しい」と存続を求める声も根強く、歩行者天国の検討委メンバー、関幸子さんは「ああいう事件が起きた以上は見直さざるをえない。
ただ、事件に屈するのではなく、早期に安全策を確保して再開すべき」と話す。

 安全なまちづくりを進めようという動きも出始めた。14日には、秋葉原で活動するグラビアアイドルら有志で作るグループがJR秋葉原駅前で募金活動を開始。事件当時も応急措置に活用されたAED(自動体外式除細動器)を設置しようというもので、コスプレをした若者らが「1日も早く安全な秋葉原を取り戻すために、手を取り合いましょう」と、買い物客らに呼びかけた。募金活動に参加したパフォーマー、ハルヒさん(28)は「もっとAEDがあれば、1人でも多くの人を救えたはず。
みんなに安心してきてもらえるまちにするため、何かしたいと思った」。募金で購入したAEDは、電器店などに設置する予定だ。

紅電ニュース


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